INTERVIEW

Anchorsongのアイデンティティとエレクトロニックミュージック

Ceremonial_Official1_1000

Anchorsongのアイデンティティとエレクトロニックミュージック


Anchorsongと知り合ってからもう10年くらいになる。ちょうど自分が『SYNCHRONICITY』を始めるくらいから。何度か東京で一緒にイベントをしたりしたけれど、程なくして彼は活動の場をロンドンに移すことになる。何のつてもなく音楽活動をするために単身ロンドンへ。そんなユニークな人間。僕にとって彼は大切な友人であるとともに、新しいことにチャレンジし続ける同志のようなもの。そんな彼に約4年ぶりのニューアルバム『Ceremonial』と1/28(木)のリリースパーティーを記念してのインタビューを行った。

インタビュー:麻生潤
写真提供:Anchorsong

ー まずは新作『Ceremonial』のリリースおめでとう!ずっと待ってました。早速だけど、新作『Ceremonial』テーマは?

「生演奏のグルーヴ感が宿ったエレクトロニックな音楽」だね。一般的に言えばコンセプト的には特に新しいものではないけれど、自分にとってはチャレンジだった。僕はそれほど楽器が弾けないこともあって、2011年の『Chapters』の頃までは、ほぼ100パーセント打ち込みで曲を作っていたんだよね。ビートを組むにしても、キックやスネアの単音のサンプルをきれいに並べていくっていうやり方だった。


Anchorsong / Last Feast (Red Bull Studios Tokyo Session
新作『Ceremonial』より

ー 2014年はEP『Mawa EP』をリリースしたけれど、ファーストアルバム『CHAPTERS』からは実に約4年。アルバムでいうと結構スパンがあるけれど何か理由があったの?

実は『Chaters』の1年半後くらいに、アルバムを一枚完成させていたんだよね。でも全体を通して聴き直した時に、全然驚きが感じられなかった。曲は好きだったけれど、スタイルとしてあまりに前作と違いがないように思えた。ショックだったけれど、自分で納得できていないものをリリースしたくないから思い切って丸ごと破棄することにしたんだ。

そうしてゼロから作り始めたから、実際の制作期間はそれほど長くないんだよね。「生演奏のグルーヴを取り込んだエレクトロニックミュージック」というコンセプトを固めた後は、ひたすら曲を作っていくだけだった。『Mawa』を完成させた時はすごく手応えを感じたのを覚えてる。掲げたコンセプトをやっと形にできたなって。『Mawa EP』をリリースした時にはアルバムの全体像が既に見えていたから、実はあの作品は今回のアルバムのアウトテイク集のような一面もある。『Flamingos』なんかは個人的にもすごく気に入っていて、今でもライブでよく演奏してるよ。

Anchorsong / Flamingos

曲を作れば作るほど、自分のルーツが見えてくるものだと思うんだけど、僕は自分が生演奏でしか得られないグルーヴが好きだっていうことを、その頃はっきりと自覚するようになって。でも自分では楽器を自由自在に操ることはできないし、周囲にそういうミュージシャンがごろごろいるというわけでもなかった。あと、MPCを使った曲作りを完全に放棄したくはなかったんだよね。それはAnchorsongのアイデンティティでもあるので。

— 確かにMPCを使った曲作りは確かにAnchorsongのアイデンティティでもあるね。

うん、そんな風に考えていた頃に、近所のレコード屋でOrchestre Poly Rythmo de Cotonouっていう、70年代のアフリカのバンドの『The Vodoun Effect』っていうアルバムをジャケ買いしたんだよね。正直内容は全然期待してなかったんだけど、いざ聴いてみるとすごく衝撃的で。音質や演奏は完璧にはほど遠いんだけど、だからこそ余計にリアルで生々しく思えた。それがきっかけで、Analog AfricaやSoundwayといったレーベルの、アフリカ音楽の再発ものをたくさん聴くようになって、いろいろと聴き漁っていくうちにそういう音楽の魅力を自分の作品に反映したいと思うようになって。それで、そういう作品に収録されているドラムやパーカッションのブレイクをサンプリングし始めたんだよね。

DSC_2981_1000— なるほど、その辺りからAnchorsongの曲作りも変わってきた気もする。

サンプリングという手法は、MASCHINEのような機材が主流の今ではレトロな感すらあるけれど、僕にはすごく新鮮だった。生演奏のグルーヴへの憧れと、MPCを使った曲作りっていうジレンマを解消する方法を見つけたって感じたんだよね。そのコンセプトができあがってからは、ひたすら曲を作っていくだけだった。実際の制作期間は1年強くらいだと思うんだけど、その大半はサンプル集めにかかった時間なので、曲作り自体はすごくスムーズだったんだよね。

— Anchorsongの初期に比べると随分ダンスミュージック寄りになったと思うんだよね。以前はもっとバースコーラスバースのような曲があったっていうか。その変化の理由は?

初期の頃からダンスミュージックを作っているつもりではいたんだけど、当時の作品は今よりも機械的だったと思う。生楽器のサンプルを使ってはいても、先に述べたような1音ずつ丁寧に並べていくようなやり方だと、どうしてもそういうものになってしまう。僕が集めたドラムやパーカッションのブレイクはよくも悪くも粗くて、テンポ的にも不安定なものが多かったんだけど、そこにエレクトロニックな音を重ねていくことで、生演奏と打ち込みの中間にある不思議なグルーヴが生まれていった。より踊れると感じてもらえたなら、自分の狙いどおりってことだから、素直に嬉しいな。

031_1000— また初期から変わらないものと言えば、MPCとキーボードを使ったライブのスタイル。このスタイルはどうやって生まれたの?

僕はもともとバンドでギターを弾いていたんだよね。高校の頃に初めてギターを手にして、当時は聴く音楽もほとんどがロックだった。18歳の時に上京してから少しずつ音楽の趣味が広がっていって、当時やっていたバンドにもそういう影響が現れ始めてた。結果的にそのバンドは解散してしまったんだけど、その後新たにバンドを組むか、あるいは1人で続けていくか、悩んだ末に後者を選択することにしたんだ。でも生粋のバンドマンだったこともあって、DJにはなりたくなかったんだよね。1人で曲を作って1人でライブをする、そのための楽器を探していた時にMPC2000XLと出会った。でも実はMPCがどういうものなのかはよく知らなくて、見た目がすごく楽器っぽいっていう理由で選んだんだよね笑 ライブアクトとしてステージに立つことを念頭に置いていたから、ダイナミックに演奏できるものがよかったんだ。

— 今でもスタイルは変わらずにステージではハードウェアを使っているよね。このスタイルはこれからどうなっていくんだろう?

うん、最近は機材も随分進化して、ラップトップを使えばコンパクトなセッティングでより複雑なことが簡単にできてしまうんだけど、今でもステージではハードウェアしか使わないことにしてる。僕の原始的なセッティングはいろいろと制限が多いのは事実なんだけど、そのおかげで演奏はストレートで分かりやすいものになる。ライブっていう一発勝負の場では、やっぱりシンプルなものが一番説得力があると思うから。今後音楽性がどう変わっていったとしても、この基本的なスタイルを変えないことは決めているんだ。

DSC_3894_1000

— 現在ニューアルバム『Ceremonial』のリリースツアーの真っ只中だけど、手応えはどう?

いろいろと勉強させてもらっている感じだね。今のところライブハウスよりも深夜帯のクラブイベントに出る機会が多いんだけど、DJブースの中で演奏することも多いんだよね。演奏する様子をしっかり観てもらいたいから、以前はそういう環境でのライブはオファーが来ても断っていたんだけど、今回のアルバムの曲はそういう場で楽しんでもらえるものだと思うから、今は積極的に受けるようにしてる。たとえ僕がどういう風に演奏しているのか伝わらなくても、フロアでお客さんに踊ってもらえたらそれでいい。でもDJ的なプレイを期待しているお客さんの前で演奏する時は、そういう意図がうまく伝わらなくて少ししらけてしまうこともあって。そういう時はやっぱり悔しいけど、あくまでこのスタイルでそういう場にも対応できるようになりたい。だから今は既存の曲をもっとフロア向けにアレンジし直したりしていて。現場での経験を通して少しずつ成長していくっていうのが、個人的にはツアーの醍醐味だと思ってる。なんか優等生っぽい言い方かもしれないけど笑。

— あはは、ポジティブな部分もネガティブな部分も包み隠さず話すところがAnchorsongっぽいね!もうあと数日だけど、1/28(木)は『Anchorsong "Ceremonial" Release Party』東京公演だね。どんなライブになる予定?

当日は今回のアジアツアーの中では唯一、ストリングカルテットと一緒に演奏する予定なんだ。今回のアルバムではリズムに重点が置かれていることもあって、実際にはストリングスが使われている曲は少ないんだけど、そういう曲を弦楽器用にアレンジすることにすごく意義を感じていて。『Oriental Suite』のような曲に弦楽器のアレンジを施すことで、曲が本来持っている振れ幅のようなものを証明できると思っていて。それに、音源を聴いた上でライブに足を運んでくれるお客さんに対して、期待以上のものを提供したいっていう気持ちがある。僕は普段からよくライブに足を運ぶんだけど、そういう驚きを提供してくれるライブはやっぱり長く記憶に残るから。たとえばビョークのライブには何度も行ったけれど、同じ曲でも毎回アレンジが違う。そういう驚きのあるライブをしたいんだよね。
046_1000— ストリングカルテットとの共演はどのように始まったの?

2005年頃に渋谷PLUGでライブをした時に知り合ったヴァイオリニストの女の子が、何か一緒にやろうって言ってくれて。それで彼女にカルテットを組んでもらうように頼んだんだよね。シガー・ロスやビョークのライブで、弦楽四重奏と一緒に演奏しているのを観た時からずっと興味があって。僕は音楽をちゃんと学んだことはなくて、弦楽器のこともほとんど分かっていなかったんだけど、自分の音楽との相性の良さは直感的に気づいてた。弦楽器は主役になってしっかり主張するだけじゃなく、他の音色を際立たせるために背後からそっと支えるようなこともできる。そういう柔軟なところが自分の音楽とすごくマッチする。当初はメンバーに曲を渡してアレンジをお願いしていたんだけど、最近では自分で手がけるようにしていて。リハーサルの場でメンバーから譜面にツッコミを入れられるようなこともしょっちゅうだけどね笑。

— それでは、最後にインタビューをご覧の皆さんに一言お願いします。

前作から約4年も空くとは自分でも思いもしなかったけど、時間をかけた分いいものができたと思っているので、是非アルバムを聴いてみて欲しいですね。それで気に入ったら、ライブに足を運んでもらえると嬉しいです。久々のストリングカルテットとの共演を僕自身とても楽しみにしていて、特別なものにしたいと思っているので。

— ありがとうございました!Anchorsongの久しぶりの東京公演。彼のアイデンティティとも言えるライブスタイル、そして、東京公演限定のストリングカルテットの特別セットをぜひ体感してほしいです!

 

Anchorsong "Ceremonial" Release Party


【開催日時】
2016/1/28(木) 18:00 open / 19:00 start

【開催場所】
青山・月見ル君想フ

【チケット(オールスタンディング)】
前売 3500円 / 当日 4000円(各ドリンク別)

【一般販売(11月28日(土)~)】
■プレイガイド
・チケットぴあ [Pコード:282-877] http://t.pia.jp/
・ローソンチケット [Lコード:78726] http://l-tike.com/
・イープラス

■月見ル君想フ予約
インターネット予約〔 1月16日0:00~1月26日24:00迄 〕
・電話予約〔03-5474-8115〕
※店頭予約の入場順はプレイガイドの後になります。

【お問い合わせ】
月見ル君想フ(03-5474-8115) / info@kikyu.net

【出演アーティスト】
■LIVE
・Anchorsong(ストリングスによる特別編成)
・Young Juvenile Youth
Ceremonial Cover 2K_1000Artist: Anchorsong ― アンカーソング
Title: Ceremonial ― セレモニアル
Release date: 2016.01.22 Fri On Sale
Label: Tru Thoughts / Beat Records
国内盤: BRC-489 ¥2,000(+税)
日本盤特典: ボーナス・トラック追加収録

【トラックリスト】

01. Eve
02. Expo
03. Mother
04. Oriental Suite
05. Kajo
06. Monsoon
07. Butterflies
08. Rendezvous
09. Last Feast
10. Outro
11. Ceremony
12. Wolves (Bonus Track for Japan)
13. Diver (Bonus Track for Japan)

SNSで友達にシェアしよう!
  • 毎日、SYNCHRONICITYなニュース!
SYNCHRONICITYなNEWSが満載!フォローしよう!
メルマガ登録
限定のレアニュース、お得情報をお届け!

RANKING
ランキングをもっと見る
SYNCHRONICITYなNEWSが満載!
フォローしよう!
メルマガ登録
限定のレアニュース、お得情報をお届け!

INTERVIEW

これはちょっと2017年の衝撃かも?色んな予想を裏切りながら進むジャパニーズ・オンナ・バンド「CHAI」の等身大インタビュー。

image1_2000_2

なんだなんだ?このなんじゃこれ感!?異常に歌詞に耳が引っ張られる。だけどとっても曲がいい。不思議なアンサンブルと絵面が頭から離れない。これってすっかりCHAI中毒!?

 

今年の『SYNCHRONICITY』のダークホースとして、MANNISH BOYSと渋さ知らズオーケストラの間に出演。爆発のパフォーマンスを繰り広げたCHAI。ライブ中に色んなところから聞こえてきたCHAIへの賛辞は、これからの人気を裏付けているだろう。

 

2015年の活動開始からわずか2年。まだ成長途中でありながら、どこにもない個性を引っさげて2nd EP 『ほめごろシリーズ』をリリース。音楽とは裏腹の彼女たちの客観的なセルフ・プロデュース力は想定外。色んな予想を裏切りながら進むCHAIの等身大インタビュー。

 

 

インタビュー・テキスト・編集:麻生潤

 

 

ライブに対する気持ちがすごく変わった。もっと伝えよう、伝えようって。そういう感覚をアメリカで感じたから、たぶん『SYNCHRONICITY』のとき爆発してた。(カナ)

 

麻生:

4月は『SYNCHRONICITY’17』へのご出演ありがとうございました!CHAIはMANNISH BOYSと渋さ知らズオーケストラの間だったよね?ここはかなり狙ってタイムテーブル組みました笑。対照的な2組の大御所に挟まれてのステージだったけど、初めての『SYNCHRONICITY』はどうだった?

 

マナ:

あんな一杯の人に観てもらえたのは初めて!ちょー楽しかった。

 

ユウキ:

すごい楽しかった!全然人いなかったらどうしようって思ってたし笑。

 

カナ:

音楽の最新を感じた!

 

ユウキ:

分かる!いろんなバンド観たけど、これから来る音楽の最新を感じた。麻生さんのCINRAでのインタビューの言葉の通りだった。

 

image2

 

麻生:

あはは、読んでくれてありがとう。『SYNCHRONICITY』は色んなクロスオーバーをすごく大切にしてるんだけど、それがいい形で実現して良かったです。

 

ユウキ:

本当すごいところに挟まれてたー!笑。

 

麻生:

あはは、一番狙ったのはCHAIでした笑。

 

一同:

嬉しい!ありがとう!

 

image3_2000

 

麻生:

初めてCHAIのライブを観たのは下北沢のFEVERだったんだよね。そこから『SYNCHRONICITY』まですごく進化しててグルーヴが生きてきてるのを感じました。この短い間にもサウス・バイ・サウスウエスト、アメリカツアーと積み重ねてきましたが、自分たちの中で変化はどう?

 

カナ:

ライブに対する気持ちがすごく変わった。もっと伝えよう、伝えようって。そういう感覚をアメリカで感じたから、きっと『SYNCHRONICITY』のとき爆発してた。

 

マナ:

分かる!色々爆発してた。アメリカでは本当に色々感じた。より日本人であること、クールにやらないこととか。今ってクールな音楽が日本で流行ってると思うんやけど、自分たちはそういう立ち位置じゃないところでもっと日本人っぽい、女でこれくらいできるんだっていうパワフルな音楽を目指したいなって。また、よりエンターテイメントでもありたいなって思った。

 

ユウキ:

そうそう、笑わせたいって気持ちも。芸人じゃないけど、笑うってすごいいいことだなって。アメリカではゲラゲラ笑ってくれて、観てる方もやってる方も楽しい。そういうことがライブでエンターテイメントとしてできたら最高だなって。

 

image4_2000

 

麻生:

エンターテイメントの意識は最初から感じてるね。ライブはもちろん、曲の構成や歌詞でも。歌詞はちょいちょい挟んでくるよね!ベイベとか笑。ここにベイベって来るか普通!って感じで笑。

 

一同:

爆笑。

 

image5_2000

 

音楽に芸術を感じたいなって思う。CHAIの音楽もそうだし、私たちが好きな音楽も全部芸術だなって。芸術作品を意識してるから、絶対こうなる形っていうのが好きじゃない。(ユウキ)

 

麻生:

CHAIの言葉の使い方ってすごく新鮮というか、ないでしょ、こういう言葉の使い方!笑。でもそれはCHAIの魅力を印象付けているところだと思う。言葉選びや使い方のセンスを感じるし、いい意味でめっちゃふざけてる!歌詞の内容も深いんだけど、それ以上に一つ一つの言葉に引っ張られてしまう。そんなインパクトがあるよね!

 

マナ:

ベイベは特に意識してなかった!

 

ユウキ:

初めてそんな感想聞いた笑。

 

麻生:

また、曲を聴いてると一々予想を裏切ってくる。ポップ・ミュージックなんだけど予定調和じゃない。って、俺、CHAIの魅力紹介してるみたいだね笑。でもそれが本当に素敵だと思う。曲の構成も独特なものを感じるんだけど、こだわりのポイントは?

 

ユウキ:

音楽に芸術を感じたいなって思う。CHAIの音楽もそうだし、私たちが好きな音楽も全部芸術だなって。芸術作品を意識してるから、絶対こうなる形っていうのが好きじゃない。ジャンルを問いたくないって思ってる。

 

マナ:

恋愛の歌詞は絶対書かない。応援歌やオール英語の歌詞っていうのも嫌だ。絶対日本語で歌いたい。

 

 

 


麻生:

うん、確かに日本語で歌ってるよね。でも言葉の使い方も含め歌詞はCHAIの個性を際立たせてる。そこにポップとキャッチーが同居してる。

 

マナ:

ポップっていうのは意識してる。

 

ユウキ:

キャッチーさも意識してるね。ほめごろシリーズの方がよりキャッチーかもしれない。

 

ユナ:

そうやね、CHAIらしいキャッチーさというか。

 

麻生:

CHAIは日本人的な感性やポップさキャッチーさとともに、ダンスミュージックの要素をすごく大切にしてるのも感じます。そして、さらにそれが強くなってきてるなって。よりグルーヴィーになってきてるって思う。

 

マナ:

それはめっちゃ意識してる。

 

カナ:

うん、どの曲もダンスミュージックでありたいと思ってる。特にベースとドラムはそこにこだわってます。

 

ユウキ:

一番考えてる。ただ、あんまりグルーヴを意識しすぎてテクニックに走ったり、自己満足的な意識を持っちゃうのは違うなと。グルーヴィーでありつつもキャッチーさも大事。バランスってめっちゃ大切。

 

image6_2000

 

 

自分たちはなりたい方向になってきてるって思う。自分たちの理想のアーティストに近づいていってる。それはすごくいいことだし、今回の作品で成長を感じた部分でもある。(マナ)

 

麻生:

CHAIはどうやって曲を作ってるの?

 

カナ:

マナがメロディーを作って、ユウキが歌詞、私がコード、ベースライン、ドラムと結構バラバラ。最初ドラムとベースだけをとりあえず考えて、それにメロディだけ乗せて、あとは全部後付けっていうことも多い。共同作業なんですよね。

 

麻生:

え、共同作業?楽器って意味じゃなくてやることがなんとなく分かれてるってこと?

 

マナ:

そうそう、何となく分かれとる!曲はその場でババっと作る。私が何かを持ってきたとかいうのもなくて、その場のテンションで。スタジオで一斉に。例えば、こういう曲のこういうリズムが好きだから、ちょっと叩いてみてって言って、叩いてもらってそこにメロディを乗っけたり。そのあとコードつけて、ベース作ってみたいな。さらにそこに歌詞を加えてって。

 

麻生:

なるほど。歌詞やメロディを分担しつつも、全体の構成はみんなで考えていくんだね。曲作りで難しいなって思うことは?

 

マナ:

メロディから作って持ってく人って多いと思うんやけど、CHAIにはそういう固定的なものがないから、その場で思い浮かばなかったらもうメロディできん。そういう恐怖があるかも笑。絶対思い浮かぶんだけどね!でも考えながら次どうしようかなって時間がかかるから、人より時間がかかっとるところってあるかもしれん。もともとできとるわけじゃないから。アレンジに時間がかかるかも。

 

 

 


麻生:

前作「ほったらかシリーズ」、今作「ほめごろシリーズ」とE.Pでのリリースだね。これには狙いもあるんだろうけど、アルバムではなくてE.Pにした理由は?

 

マナ:

まだE.Pかなって。2枚目だし、やっと「ほめごろシリーズ」でCHAIを知る人が増えるって思ってて、そういう意味でE.Pかな。アルバムだとうっとおしいじゃん!知らんと。そんなに聞かねーよ!みたいな笑。

 

麻生:

あはは、でもE.Pが続く流れとてもいいね。前作、ほったらかシリーズに続き、今作はほめごろシリーズ。しかしこのタイトル、、、笑。前回の「ほったらかシリーズ」から一つ一つの曲が長くなってきてるよね。

 

マナ:

そう、前はだって3分以上はやらないって決めてたから。すぐ飽きちゃうし!ラーメンとかでも。そういう感覚がすごくあって。でもいい曲ができたら、いいかなって思ってたから。長くしちゃったね。今回は。

 

麻生:

なるほど。ということは自分たちの中で必然性を持って長くしたってことかな?

 

マナ:

そんなに意識はしてないんだけど、自分たちはなりたい方向になってきてるって思う。自分たちの理想のアーティストに近づいていってる。それはすごくいいことだし、今回の作品で成長を感じた部分でもある。だから、曲の長さも意識しなくなったのかも。前作は必ず3分以内でやろうってのがあったけど、そんなこと気にせず音楽がいいからっていう考えになった。またどうなるかはわからないけど。

 

 


 

「ほめごろシリーズ」は今褒めどきだよって意味だから、もっとキャッチーでCHAIが今伝えたいことを全部詰め込んだっていうような感覚。(カナ)

 

麻生:

前作の曲「ぎゃらんぶー」ってとてもいい曲だなって思ってて、その発展系が今作の「ボーイズ・セコ・メン」という印象を持ちました。また一方で、「sayonara complex」っていうメロウなバラード曲もあり、新しいCHAIの姿が見れたなって気がする。さっきなぜ続けてE.Pなの?って質問もしたけれど、こうして並べてみると、それぞれの違いが浮き彫りになってくるというか、成長や変化が見て取れるのがとても面白いと思う。今回の2nd EP「ほめごろシリーズ」を作るにあたって、前作からの変化ってどういうところがあるんだろう?

 

マナ:

好きなアーティストが変わったところは大きい。影響されている部分はあるから。

 

ユナ:

好きなアーティストにはすごく影響されてるね。

 

ユウキ:

うん、あと作るモチベーションが全然違うかも。

 

麻生:

モチベーションというのは?

 

カナ:

「ほったらかシリーズ」は、何やっててもバーって全部ほったらかしてそのEPだけを聴きこんじゃうくらいな曲。バリエーションが全部すっごく違うもの、展開も「え?!」っていうものが作りたかった。「ほめごろシリーズ」は今褒めどきだよって意味だから、もっとキャッチーでCHAIが今伝えたいことを全部詰め込んだっていうような感覚なんです。だから「sayonara complex」のようなエモいのも入れようって。多分泣けると思う。大好きってなると思う!笑。

 

麻生:

うん、泣けた。泣けました。

 

一同:

あー、うれしー!ほんとー?!

 

麻生:

でもあれ?CHAIってこんなだったかな?って笑。真面目な感じ?っていうのも思った笑。

 

一同:

笑。

 

麻生:

あはは、でもこれって面白くてね、「sayonara complex」まで聴いて、改めて歌詞を見てみようかなって思っちゃう。そういう魅力が散りばめられてるんだよね。そういえば、今作の「ほめごろシリーズ」は今褒めどきだよって言ってたけど、タイトルから付けたの?

 

ユナ:

たしか、後付けだ。「ほったらかシリーズ」もね。

 

麻生:

それじゃ、5曲完成してタイトルつけるときに、私たち今褒めどきだから、「ほめごろシリーズ」にしよっか?って感じ?笑。

 

ユウキ:

笑。候補は一杯あったんだよね!なんとかシリーズっていう候補で笑。で、これが今一番しっくりくるねってことで、決まったの。

 

カナ:

そうそう、さっきマナが言ったようにきっとこれでCHAIのことを知ってくれる人が増えるから、今褒めておかないとお前ら出遅れるぞみたいな笑。

 

麻生:

あはは、しかしCHAIって自分たちのことをすごく客観的に考えてるね。ちょっと大人な僕としてはこれ対応どうしよっかなっていうこともあるけれど笑、セルフ・プロデュースの意識をすごく感じます。

 

マナ:

すごい考えとる!

 

ユウキ:

うん、すごく考えてる。見た目から、もう今日の服から考える。何着るか、いつ何をどうやって出そうかってところまで。

 

image7_2000

photo by むらかみみさき

 

 

今影響を受けているアーティストのこの曲みたいにしたいっていうのが根本にあって、そういう風にアレンジしてるよね。この展開、こんな感じでぶち込もうっていいながら、だんだん曲が変わっていってCHAIの音楽になっていく。(カナ)

 

麻生:

CHAIの今の音楽ってどういう風にできてきたんですか?2013年結成して、2015年から活動開始って感じだよね?

 

マナ:

ほとんど2015年から活動開始しとる感じだと思う。

 

ユナ:

楽曲とかは私たちの好きな音楽にすごく影響されて、洋楽に寄って行ったところありますね。

 

カナ:

今影響を受けているアーティストのこの曲みたいにしたいっていうのが根本にあって、そういう風にアレンジしてるよね。この展開、こんな感じでぶち込もうっていいながら、だんだん曲が変わっていってCHAIの音楽になっていく。

 

 

 


麻生:

「sayonara complex」はCHAIの中で新しい引き出しの曲だけど、自分たちの中でこういうものを作りたいって流れの中で出てきたものなの?

 

マナ:

あれ、フェニックス!あれ仮タイトルがフェニックスだったっていうくらいフェニックスだった。今でもフェニックスって読んじゃうくらい馴染みがあった!

 

ユウキ:

「If I Ever Feel Better」だね!セトリもね、フェニックスって呼んじゃうくらい!笑。

 

麻生:

なるほど、でも残ってるのは「クス」だけだね笑。

 

マナ:

ホントだ!笑。でも本当フェニックスにしたかったの。でも全然なんなくて笑。

 

カナ:

「sayonara complex」だけは最初にメロディとコードがちゃんとあって、そこから全部考えたから、一番アレンジの時間がかかった。崩せなくて。

 

ユウキ:

メロディ一回できたやつ全部変えたもんね。

 

マナ:

そう、全部変えた。最初はあんなラップみたいなメロディじゃなくて、コードに合わせたメロディがちゃんとあった。だけどなんかつまんなくて、ラップにしちゃった。ラップっていうのかわからんけど、私はすごいCSSとかトム・トム・クラブとか、ああいう中途半端なラップまで行かんメロディがすごい好きなの。Aメロが大体ああいう不気味な感じじゃないですか。リズムがちゃんとあって。それを日本語でやってる人ってあんまりおらんけど、それができるのがCHAIかなって思って。

 

image9_2000

photo by むらかみみさき

 

 

まだそんなに苦しめるときじゃないから「sayonara complex」くらいでちょうどいいっていう感覚はすごいある。もうちょっと先かなって思って。(マナ)

 

麻生:

今までの曲とカラーも違うよね。どうしてこの曲が生まれたんだろう?

 

カナ:

最初こういうの出していいかわからないなって思ってた。あんまりバラードっぽいのも違うんじゃないかって。これはCHAIなの?って。ぎゃらんぶーみたいなのがメインだったからね。戸惑いはあったけど、でもこういうの見せていくとたぶんCHAIにハマる人も増えるし、違うお客さんもつくんじゃないかなと思って。

 

麻生:

え、何だかディレクターとかマネージャーみたいだね笑。めっちゃ考えてる!

 

マナ:

すごい考える!だって、マイケル・ジャクソンの「Heal The World」をよく聴くんだけど大泣きするんだよ、4人でみんな。それくらい苦しい音楽ってあるやん。聴いとるだけで胃が痛いやつ。そういう音楽をいつか作りたいんだけど、それってやっぱりその人に夢中になっちゃうんだよね、苦しいから。私もそういう音楽を作りたいって思ったけど、まだそういう音楽を出すときじゃないから「sayonara complex」くらいの雰囲気でちょうどいいっていう感覚はすごいある。もうちょっと先かなって思って。

 

ユウキ:

うん、まだ言えない。CHAIは。タイミングが絶対ある。そう、すごい考える。そういうことも。

 

麻生:

なるほど、それは分かる気がする。

 

マナ:

あんな世界が平和だどうのとか、そんなことを言える立ち位置じゃない。今言われてもうっとおしいと思う。私だったらうっとおしい。まだ、これからの私たちに「君ならできる」なんて言われたら、お前は一体なんだんだよ!って思う。まだその立ち位置じゃないから。いつか言いたいけど、まだ違う。

 

麻生:

等身大でありたいってこと?

 

マナ:

そうそう!等身大でありたい。それはめっちゃ重要。

 

麻生:

なるほど、確かにそういうのってあるね。その人の等身大の言葉って大切だよね。誰が何言っても、嘘だったら伝わらないからね。

 

ユウキ:

うん、その時の等身大であるってことが大切。言葉の重みがまだ伝えられないから、それを抱えられるほどじゃないし。今の自分たちをきちんと響かせたいって思う。

 

マナ:

そういうのって等身大っていうんだね!そういうことだ!覚えた!

 

麻生:

あはは、そんなに言葉のマジック持ってるのに!でもそれはすごく貴重な話。CHAIを側から見ると、何ていうかどう捉えたらいいかわからない不可思議さ、なんじゃこれ感が先に立つんだけど、一歩踏み込んでみなければわからない奥行きをすごく感じました。最後にこれからCHAIのやりたいことなど教えて下さい。

 

マナ:

やりたいことは一杯あるんやけど、まだワンマンをやったことないからワンマンをやりたい。

 

カナ:

うん、でも普通のライブじゃなくて、いろんなことを取り入れたワンマンがしたいから、なんかすごい時間がかかる気がする。ショウとして見せられるワンマン。

 

マナ:

うん、ちゃんと一個のショウとしてエンターテイメントしたい。

 

麻生:

CHAIの魅力に溢れた初ワンマンは、8/18(金)の東京・下北沢BASEMENT BARだね!楽しみにしてます!ありがとうございました!!

 

 

CHAIリリース情報


2nd EP 『ほめごろシリーズ』  

発売日: 2017年4月26日(水)

品番: CHAI-0001

価格: 1,600円(税抜)

レーベル: OTEMOYAN record

 

[収録曲]

1.Sound & Stomach

2.クールクールビジョン

3.ボーイズ・セコ・メン

4.ヴィレヴァンの

5.sayonara complex

 

 

CHAI ライブ情報


8.11(金・祝)

名古屋CLUB ROCK’N’ROLL(愛知県)

18:00開場/18:30開演

前売り\2500 (+1drink)

ゲスト:プププランド , Homecomings

 

8.12(土)

心斎橋LIVE HOUSE Pangea(大阪府)

18:00開場/18:30開演

前売り\2500 (+1drink)

ゲスト: DENIMS 

DJ: DAWA (FLAKE RECORDS) 

SHOP: guumee

 

8.18(金) 

下北沢BASEMENT BAR(東京都)

19:00開場/19:30開演

前売り\2800 (+1drink)

※ワンマンライブ 

※取置予約の実施はございません

 

発売日 7.2(日) 10:00

 

■CHAI

CHAI(ちゃい)
双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、『NEO – ニュー・エキサイト・オンナバンド』、それがCHAI。誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、2016年の春以降、突然いろんな人が「CHAIヤバい」と韻を踏みながら口にし始め、それに気を良くして8月にSpotify、Apple Music等のストリーミングサービスで『ほったらかシリーズ』を配信したところ、ノンプロモーションなのにSpotify UKチャートTOP50に収録曲『ぎゃらんぶー』が突如ランクイン! (※最高位36位)。が、CDの流通をし忘れてたことに気付き、12月7日より遅ればせながら全国のレコード店にて発売中。2017年SXSW出演と初の全米8都市ツアーも決まり、その常軌を逸したライブパフォーマンスを観てしまった全バンドマンがアホらしくなってバンド解散ブームすら起こりかねないほど、彼女たちに触れた君の2017年度衝撃値ナンバーワンは間違いなく『NEOかわいいバンド』、CHAIだよ!

 

オフィシャルサイト:
http://chai-band.com

SNSで友達にシェアしよう!
  • 毎日、SYNCHRONICITYなニュース!
SYNCHRONICITYなNEWSが満載!フォローしよう!
メルマガ登録
限定のレアニュース、お得情報をお届け!

Translate »