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【レポート】進化した都市型フェスの姿(『SYNCHRONICITY’16 – After Hours – 』)

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4/24に開催された『SYNCHRONICITY'16 – After Hours -』のフェスレポートを写真たっぷりでお届けします。先日の開催を振り返ったり、来年の開催(来年は『SYNCHRONICITY』と『After Hours』の2DAYS開催)へ思いを馳せたりしながらぜひお読み下さい。

 

レポート・文章:小林昂祐
写真:Yukitaka Amemiya、あきやましほ、荒金大介、上山陽介、木村泰之、小見山峻、関口佳代、Takahiro Higuchi

 

 

2016年4月24日。人でごった返す渋谷駅を抜けて、O-Eastへと向かって歩いていく。今年で11年目を迎える都市型フェス『シンクロニシティ』は、今年、『SYNCHRONICITY’16 – After Hours – 』として、O-EastとO-West、duo MUSIC EXCHANGE、TSUTAYA O-nestの4会場で〝同時多発的〟に開催される。今回は、シンクロニシティとしてのみならず、envy、MONO、downyの3バンドが主催者となる新たなフェス『After Hours』もジョイント。日本の音楽シーンを超え、最先端のカルチャーが生まれる予感さえするイベントとしてローンチされた。

 

ライブハウスの聖地ともいえる会場へとたどり着くと、そこはある種の熱狂に包まれていた。会場のエントランスには、チケットとフェスの象徴ともいえる〝リストバンド〟を交換するために並ぶオーディエンスが集っている。4つの会場を行き来することのできるこのリストバンドを手首に巻くと、「フェスに来た」という昂揚感を覚える。

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photo by 木村泰之

 

あらかじめスマホに落としておいたタイムテーブルとにらめっこをして、どの会場へ行こうかと悩むのもフェスならでは。まずは在日ファンクへ。『爆弾怖い』『環八ファンク』と、ハマケンのキレッキレのダンスが会場のテンションを煽る。仰木のカッティングが冴える『京都』。しっかりとファンクするサウンドに後ろ髪を引かれつつも、THE NOBEMBERSを観にO-WESTへ。しかしここで入場規制。え?何これキャパオーバーなの?と思うくらい、人の流れはうねりとなって会場を埋め尽くしていた。

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在日ファンク photo by 荒金大介

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THE NOBEMBERS photo by Takahiro Higuchi

 

『Rhapsody in Beauty』の松本健吾のギターのサステインが響くなか、なんとかして会場に滑り込み、人と人の間に体をねじ込む。『Misstopia』『出る傷を探す血』を堪能し、BRAHMANのアクトがはじまるO-EASTへ。階段を駆け上がると、すでにステージは熱気、熱気、熱気。TOSHI-LOWの貫禄すら感じさせるステージングはやはり圧巻だ。オーディエンスをかき分けるようにして2階へと向かうも、後発組はなかなかステージすら見ることは難しい。ちょこちょこ会場を行ったり来たりするよりも、狙いを定めて観る方がいいのかもと思いつつも、激しくモッシュするフロアからの熱量とTOSHI-LOWのエネルギーのぶつかり合いを感じていた。

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BRAHMAN photo by 木村泰之

 

階下へ降り、duoへ。次世代のシティーポップを奏でるYogee New Waves。角舘の跳ねるようなギターストロークからライブそのものを本人が楽しんでいることが伝わってくる。懐かしさと新らしさに溢れる音を聴きながら、上階でつづくBRAHMANの熱量が同じ場所で繰り広げられているのかと思うと、やはりこれはフェスなのだとひとり頷いた。group_inouのcpがMCで「天下一武道会にきたみたい」と言っていたが、たしかに今年のシンクロニシティは例年よりも出演アーティストがさらに豪華。渋谷という街で、たった1日とはいえ、これほど豊かなアクトを巡ることができるのは夢のようなことなのかもしれない。ずっとO-WESTに敷かれていた「入場規制」はそれを物語っている。タイムテーブルにあわせて人の波が、ヌーの大移動よろしく行ったり来たりするのは、都市的ではあるなあと思いつつ、ベンジー率いるSHERBETSへ。『Michelle』でやっぱりかっこいいわと聴き惚れつつ、『HIGH SCHOOL』で我を忘れて踊り狂う。

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Yogee New Waves photo by 小見山峻

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group_inou photo by あきやましほ​

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sherbets photo by Yukitaka Amemiya

 

クラムボンは『KANADE dance』『波よせて』『恋わずらい』とつづき、小気味好く踊る原田の唯一無二の歌声がステージを包む。もうひとつ体があったらいいなと思いつつも、見逃すことのできないenvyへ。なぜなら、envyはこのシンクロニシティを前にヴォーカルの深川哲也が脱退を表明。ゲストを招いた最初で最後のライブとなると、envy目当てで集まった人も多いはずだった。ゲストはギターのKawaiが「昔からの友達です」という、青木ロビン(downy)、山㟢廣和(toe)、ツル(milkcow)、TOSHI-LOW(BRAHMAN)、成井幹子 (sgt.)、Hevi (EARTH FEDERATION)、向達郎(kamomekamome)、渡部宏生(heaven in her arms, SZKN)の面々。静けさと哀愁の漂うアルペジオと地響きのようなリフはいつものenvyだが、バンドへのリスペクトで集まったゲストとのステージングは、今日しか見ることのできない刹那的な瞬間。この場にいれることの喜びもあったけれど、やはりどこか寂しさもある複雑な気持ちもあった。とはいえこの瞬間を目に焼き付けることこそ、オーディエンスにできること。脳をぐわんぐわんと揺らす爆音に心も体も持って行かれていつしか酩酊感すら覚えていた。

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clammbon photo by 荒金大介

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envy photo by Yukitaka Amemiya

 

そろそろ各ステージでトリのアクトがスタートする時間。とりあえずは、the band apart、MONO、渋さ知らズオーケストラと順番に巡ることにする。入念なサウンドチェックでスタートしたthe band apart。笑いを誘う原のMCは今日も健在。『Higher』『Eric.W』と往年の名曲で盛り上げつつも、新曲を織り交ぜきらびやかかつグルーヴィーな音を奏でていた。メロウなギターと轟音のコントラストでつくりあげたMONOの世界観。海外で活躍するバンドでありながらも、日本で『After Hours』という新たなフェスを主催するこのバンド。闇と光がないまぜになった、キリリと張りつめるような緊張感がもつ美しさがオーディエンスを飲み込んでいた。

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the band apart photo by 関口佳代

160424_higu_02834MONO photo by Takahiro Higuchi

 

シンクロニシティのトリといえば、やはり渋さ知らズ。会場を巻き込んだ〝どんちゃんさわぎ〟はこのフェス=祭りの締めくくりにこそふさわしい。カオスのようなジャムから会場を巻き込んでの合唱。まさに大円団という言葉がぴったりのパフォーマンスだった。凝縮された濃密な時間だけが、残響する余韻のように頭のなかで揺れていた。

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渋さ知らズオーケストラ photo by 上山陽介

 

ステージの最後に登場したのが、シンクロニシティ主催者の麻生潤。主催者の顔が見えるフェスというのもなかなか珍しいもの。単に商業的なイベントではなく、音楽、フェスというカルチャーを作り上げていこうという彼の思いがこのシンクロニシティの魅力そのものなのだろう。時代性を意識しながらも、ジャンルにとらわれないアーティスト陣。ダンスミュージックとライブミュージックのクロスオーバーを届けたいとはじまった『シンクロニシティ』。シンクロニシティを和訳するとすれば、それは共時性となるのだが、この都市型フェスは、まるで必然に導かれた偶然のようなものであり、ひとつひとつの要素がリンクして繋がる一瞬の火花のように儚く、心に刻まれるものだ。

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渋さ知らズオーケストラ(麻生潤 主催者挨拶) photo by 上山陽介

 

終わってしまった…という脱力感と多幸感に満たされながらも、クロージングのスピーチで麻生が発表した、〝来年〟のシンクロニシティのこと。最後にこれだけ伝えておきたい。

 

今年、開催11年目を迎えた『シンクロニシティ』と、envy、MONO、downyが新たにはじめる『After Hours』は、来年、2017年4月8日(土)、9日(日)に2DAYSで開催することが決定と発表された。会場は同じく、TSUTAYA O-EAST、duo MUSIC EXCHANGE、TSUTAYA O-WEST、TSUTAYA O-nestを予定。「つづけていくことが大切」を話していた麻生だが、来年はさらに成長し、2DAYS開催となる。1年後、今日よりももっとすごいフェスがあるのだと思うだけで、それはひとつの希望となる。また会う日まで。そんな言葉が頭に思い浮かぶ。そういえば、ベンジーがMCでこんなことを言っていた。「今日は朝まで盛り上ろう」。誰もがこんなに奇跡的なフェスが1日で終わってしまうのは寂しいと思っていたはず。朝までとは言わず、明日も盛り上ろう。来年の『シンクロニシティ』は、さらにフェーズのレベルを上げて帰ってくる。会場の誰もが、その確信を持ってフェスの終わりを迎え、渋谷の街へと消えていった。

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downy photo by 荒金大介

 

 

イベントタイトル:
『SYNCHRONICITY'17』&『After Hours'17』

 

日程:
2017年4月8日(土)、9日(日)

 

場所:
TSUTAYA O-EAST, O-WEST, O-nest, duo MUSIC EXCHANGE

 

『SYNCHRONICITY』公式サイト:
https://synchronicity.tv/festival/

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『SYNCHRONICITY’23』タイムテーブル発表!出演オーディションから、xiexie、tiny yawnの2組が加わり、全71組が決定!!

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2023年4月1日(土)、4月2日(日)に東京・渋谷にて開催の都市型フェスティバル『SYNCHRONICITY’23』のタイムテーブル、及び、出演オーディション最終選考アーティストが発表となった。

 

発表となったタイムテーブルから、4月1日(土)はSOIL&”PIMP”SESSIONS、4月2日(日)は渋さ知らズオーケストラがO-EASTのトリをそれぞれ飾る。

 

タイムテーブルの発表に合わせ、Bitfanとのコラボレーションで行われた出演オーディションの最終選考アーティストも発表となった。発表となったのは、xiexie、tiny yawnの2組。今回の発表で出演アーティスト全71組が決定となった。

 

また、会場の一つであるLOFT9 Shibuyaでは、出演アーティストを招いて公開トークセッション等も行われる予定だ。現在発表へ向けて調整が進められているとのことなので、続報を楽しみに待とう。

 

前売チケットは、イープラスにて発売中。毎年完売しているフェスなので、チケットは早めに手に入れよう。なお、前日にはマハラージャン、YONA YONA WEEKENDERS に加え、オープニングアクトにUEBOを迎えた前夜祭も行われ、本祭へ参加の方は、前夜祭の料金が一部キャッシュバックとなる。(1日券で500円、通し券で1,000円のキャッシュバック。)

 

さらに、音声プラットフォーム「Voicy」の『SYNCHRONICITY』チャンネルでは、これから、事前放送では、アーティストコメントやインタビュー、フェスの楽しみ方やここだけの裏話などを放送、当日の生放送では、アーティストのリアルタイムなトークセッションや会場からの中継など、会場でも自宅からでもラジオの生放送のような感覚で楽しめるコンテンツを用意しているとのこと。早速Voicyアプリで楽しんでみよう。

 

『SYNCHRONICITY』は、「CREATION FOR THE FUTURE」をテーマに渋谷のライブハウスを中心に、近隣の飲食店やショップも参加する地域一体型の都市型ミュージック&カルチャーフェスティバル。開催にはグリーン電力の使用やチケットレス化を進めるなど、サステナブルな意識を持ちながら「私たちの未来のためにできること」に取り組んでいる。2023年に18年目の開催を迎える。


 

『SYNCHRONICITY’23』タイムテーブル


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4/1(土) タイムテーブル

 

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4/2(日) タイムテーブル


 

『SYNCHRONICITY’23』概要

 

【名称】

SYNCHRONICITY’23

 

【開催日時】

2023年4月1日(土) openstart 13:00(時間予定)

2023年4月2日(日) openstart 13:00(時間予定)

 

【開催場所】

Spotify O-EAST、Spotify O-WEST、Spotify O-nest、duo MUSIC EXCHANGE、clubasia、LOFT9 Shibuya

 

【出演アーティスト】

オーディション最終選考アーティスト:

xiexie / tiny yawn

 

4/1(土)出演アーティスト:

ZAZEN BOYS / SOIL&"PIMP"SESSIONS / THE NOVEMBERS / tricot / 羊文学 / リーガルリリー / cinema staff / w.o.d. / SPECIAL OTHERS / fox capture plan / LITE / Ryohu / ODD Foot Works / Cody・Lee(李) / Helsinki Lambda Club / TENDOUJI / Homecomings / kojikoji / ぜったくん / JYOCHO / JABBERLOOP / Doul / カメレオン・ライム・ウーピーパイ / ゆうらん船 / paranoid void / downt / a子 / Billyrrom / LAUSBUB / kurayamisaka / Deep Sea Diving Club / Khaki / kunmohile / xiexie / Ko Umehara (-kikyu-) / DJ New Action! (星原喜一郎 / 遠藤孝行 / ゆーかり / hamakyo) / Gravityfree(Live Painting)

 

4/2(日)出演アーティスト:

渋さ知らズオーケストラ / Lucky Kilimanjaro / Dios / TENDRE / yonawo / BREIMEN / SHERBETS / ドミコ / 踊ってばかりの国 / 奇妙礼太郎(band set) / 小林私 / 水曜日のカンパネラ / chilldspot / Bialystocks / odol / downy / toconoma / Mega Shinnosuke / 笹川真生 / 浦上想起・バンド・ソサエティ / 鋭児 / NIKO NIKO TAN TAN / 新東京 / saccharin / Laura day romance / グソクムズ / THEティバ / Sugar House / dawgss / xiangyu / Group2 / えんぷてい / TOSH / tiny yawn / Ko Umehara (-kikyu-) / DJ New Action! (星原喜一郎 / 遠藤孝行 / ゆーかり / hamakyo) / Gravityfree(Live Painting)

 

【チケット詳細】

チケット販売URL(イープラス):

https://eplus.jp/synchronicity23

 

チケット料金(各ドリンク別):

前売りチケット:8,800円

通し券:16,000円

 

公式WEB:

https://synchronicity.tv/festival/

 

お問い合わせ:

SYNCHRONICITY info@kikyu.net

Spotify O-EAST ☎03-5458-4681


 

『SYNCHRONICITY’23 – Pre-Party!! – 』概要

 

【名称】

SYNCHRONICITY’23 – Pre-Party!! –

 

【開催日時】

2023年3月31日(金) open 18:00 / start 19:00

 

【開催場所】

duo MUSIC EXCHANGE

 

【出演アーティスト】

マハラージャン / YONA YONA WEEKENDERS / Opening Act : UEBO

 

【チケット詳細】

チケット販売URL(イープラス):

https://eplus.jp/synchronicity23

 

チケット料金(各ドリンク別):

前売りチケット:4,300円

※『SYNCHRONICITY’23』1日券にて500円、通し券にて1,000円のキャッシュバックがございます。3/31(金)前夜祭の会場にて『SYNCHRONICITY’23』チケット購入ページ、または、紙チケットをお見せ下さい。

 

当日券:

※販売未定。前売チケット完売の際は販売はございません。

 

公式WEB:

https://synchronicity.tv/festival/

 

お問い合わせ:

SYNCHRONICITY info@kikyu.net

duo MUSIC EXCHANGE ☎ 03-5459-8716


 

『SYNCHRONICITY’23』出演オーディション概要

 

名称:

SYNCHRONICITY'23 出演オーディション supported by Bitfan

 

オーディションページURL:

https://synchronicity.skiyaki.com/

 

エントリー期間:

2023年2月7日(火)〜2023年2月19日(日)23:59

※2月17日(金)までにBitfan IDを取得しておく必要があります。

 

出演者発表:

2023年3月2日(木)予定

 


 

各リンク先:

『SYNCHRONICITY』オフィシャルウェブサイト

『SYNCHRONICITY』Official Twitter

『SYNCHRONICITY』Official Instagram

『SYNCHRONICITY』Official Facebookページ

『SYNCHRONICITY』Official YouTube

『SYNCHRONICITY』Official Voicy

『SYNCHRONICITY』Official note

『SYNCHRONICITY』Official Spotify

 

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