INTERVIEW

People In The Box × ART-SCHOOL × SYNCHRONICITY 鼎談、それぞれの音楽とイベントへの想い

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11/16(水)に秋の『SYNCHRONICITY』企画でPeople In The BoxとART-SCHOOLのツーマンイベントが開催される。実に4年ぶりのツーマンはファンにとっても待望だっただろう。

 

DJにはthe band apartよりeiichi kogreyも出演。今回のイベントは、音楽はもちろん、アーティスト、そして主催者のプライベートな付き合いの中から生まれた企画。その温度感は、このイベントならではの個性となるだろう。

 

リラックスした空気ながら、言葉ひとつひとつを大切に選び、それぞれの音楽とイベントへの想いを深く語り合うひとときとなった。

 

インタビュー・テキスト・編集:麻生潤
カメラマン:木村泰之

 


 

特に最近はブッキングとかオファーが来ても、すごい慎重なんですよ。誰とやるかっていうのを一番大事に思うようになった。(波多野)

 

麻生:

今回は単純にイベントとしてオファーしたというよりも、音楽はもちろんなんですが、プライベートなお付き合いの中で、二人の人間性に触れてこのツーマンを企画したという気持ちがあるんです。なので、ちょっと緩い感じでお話を伺えたらと思います。リッキーさんはもうお酒飲んできてるしね笑。よろしくお願いします!

 

一同:

よろしくお願いします!

 

麻生:

さて、今回のPeople In The BoxとART-SCHOOLのツーマンは、金沢での2012年「BABY ACID BABY」TOUR 2012以来ということで、4年ぶりとなりますね。ファンにとっても待望のツーマンだと思うんですけど、今回のツーマンのお話を聞いてどう思いましたか?

 

波多野裕文(以下、波多野);

素直に嬉しかったですね。ART-SCHOOLは自分にとって特別な存在なので。また、理樹さんはもちろん、ART-SCHOOLのメンバーのことがみんなすごく大好きなんです。その話があったとき、これはすぐ出演したいなって話になりましたね。

 

木下理樹(以下、木下):

そういうときってみんなで話し合うの?

 

波多野:

僕らは絶対話し合いますね。特に最近はブッキングとかオファーが来ても、すごい慎重なんですよ。気持ちが込もっていないイベントとかでもオファー来るじゃないですか?以前は僕らは僕らだって感じで対バンとか誰でも関係ないよってスタンスだったけど、最近はそういうのがつまらなくなって、誰とやるかっていうのを一番大事に思うようになりました。

 

今、ちょうどバンドも基本的なところに戻って一から色々考え直していこうよっていうモードっていうのもあって、どんなイベントに出るかっていうことに関してもすごく協議するようになったんです。どういうイベントに出てるかってバンドの態度を示してますしね。だから、このツーマンももちろん話したけれど、それは素直にメンバーもアート好きだし、やっぱり麻生さんから来た話っていうのもあったし、これはみんなでやろうという気持ち一つでした。


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麻生:

ありがとうございます。今回はツーマンだけど、僕らが出会ったきっかけってdownyのロビンさんからいただいたので、最初はdownyも含めたスリーマンっていうことも考えてたんです。だけど、今回はPeople In The BoxとART-SCHOOLには特に共通する部分も感じて、フォーカスしてツーマンでやろうって思ったんです。僕にとってツーマンって本当に特別なので。理樹さんもピープルは特別だって言ってましたね。お話が来たときにどう思いましたか?

 

木下:

こうして波多野ちゃん、ピープル、そして、麻生さんとやることは本当に嬉しいですね。でも僕は前から麻生さんに言ってたんですよね。何で出してくれないの?って。だから、それがようやく叶った感じですね。

 

 

このイベントに関して言えばお金は関係ないんだよね。楽しいし、意味がある。責任感を感じるんです。とっても。(木下)

 

麻生:

ありがとうございます!理樹さんはオファーがきたときメンバーに相談したりしないんですか?

 

木下;

僕はあんまり相談しないですね。こういう話が来たから、スケジュール空いてるかな?って話をしたり。出る出ないのジャッジは基本的には僕がやってますね。

 

麻生:

出る出ないのジャッジはどういうところなんですか?

 

木下;

自分たちが楽しいってことが大切。基本的に30〜40代って楽しく生きていきたいなって思ってます。楽しさ、悩まないってこと。それが大切ですね。僕ずっと、ここ7〜8年くらい、睡眠障害をずっと抱えて生きてきて、最近ようやく大切なことが分かったんですよ。3日くらい前に。

 

波多野:

めちゃめちゃ最近!相当最近じゃないですか!笑。

 

木下:

そう、最近。大概の人は答えのないことについて悩んでるんですよ。もう外にも出れなくなるくらい考えちゃったりね。それってエネルギーを使うわけですよ。答えがないから悩んでもしょうがないのにね。でもそういうときは、脳機能が一つのことしか考えられないんです。不安だったら不安が出てきて、他のことは考えられないっていうふうにできてるんですよ。それを少しずつ追い出してあげなきゃいけない。それってすごく大切なことなんです。

 

このイベントに関して言えばお金は関係ないんだよね。楽しいし、意味がある。責任感を感じるんです。とっても。

 

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波多野:

自然ですよね。このイベントまでの流れというか。僕ら二人で『SYNCHRONICITY』に出してっていう現場から、こういう風になったっていう自然さというか。

 

木下:

だから、麻生さんってものすごく音楽が好きでさ、人と人との繋がりを大切にしてて、本当に好きなんだよ。隙間がないっていうか。いい意味でね。そこには全力で答えますよ。

 

波多野:

そう、本当によく分かります。僕は今年『SYNCHRONICITY』に遊びに行かせてもらって、そこにそのバンドのチョイスとか、タイムテーブルの感じとか、そこに麻生さんを感じて、それがすごい良かったんですよね。ちゃんと2016年間もあって、だけど普遍的な音楽の良さも掴んでて愛情がある。そういうのがもう全部好みっていうか。だから、それって全部麻生さんが好きっていうのに繋がるというか。そういう音楽と人間が繋がる感じというか、自然さがすごくありましたね。

 

麻生:

なんかすごい褒められててインタビューの方向が違う感じになってるけれど、めっちゃ嬉しいです!

 

波多野:

面と向かって言うのは照れくさいけどね笑。

 

 

最初は戦略的にそういう音楽をやろうと思ってたんだけど、ART-SCHOOLのせいでめちゃくちゃになったって感じ笑。(波多野)

 

麻生:

ありがとうございます。今言っていただいたことはまさに『SYNCHRONICITY』でいつもイメージしていること、目指していることなので本当に嬉しいですね。また、僕にとっては『SYNCHRONICITY』のツーマン企画っていうのも本当に特別なんです。フェスは多数のアーティストに出演いただくんですが、当日はほとんど見れないし、ご挨拶さえもきちんとできないこともある。そういうのが心苦しいというか、寂しいというか、そういう気持ちもあって、実際にきちんと交流し向き合える場、熱を伝えられる場っていうのをツーマンという形で作りたかったんです。そんな想いで今年の1月からスタートしたんですね。今回はこうしてプライベートでお付き合いさせていただく中で生まれてきたので、音楽性に加え、人間性というところで特別なものがあります。

 

僕はPeople In The BoxとART-SCHOOLって何か共通するものを感じるんですね。それぞれ全く違うながらも、すごく似ている部分があるというか。二人にとってそう感じるところはありますか?

 

波多野:

それぞれ全く違うんだけど、ちょっと分かるところもあって、きっとそれはすごく根っこのところなんですよね。僕は福岡にいるときにバンド始めたんですけど、何で日本って人間の根源的な暗い部分をパーンってロックやポップソングに落とした音楽がないんだろうって思っていて。だったら俺がやってやろうって思ってバンドを組んだんです。

 

で、福岡のバンドシーンのどこにも属していない人たちの中に戸高くんがいて、ART-SCHOOLに入るって聞いて、共通の友達がMDを作ってくれたんです。それを聞いて、やってる人がいた!って衝撃を受けたのを憶えてますね。それで俺はやっちゃいけないなって思った。そこから自分のアイデンティティをちゃんと立ててやって行こうと思ったんです。それがきっかけですね。20歳越えてたくらいかな。

 

だから、そういう根っこのところはちょっと近いなって思う。最初は戦略的にそういう音楽をやろうと思ってたんだけど、ART-SCHOOLのせいでめちゃくちゃになったって感じ笑。

 

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木下:

やめてよ〜!笑。

 

麻生:

あはは、そういう意味で根源的に似通ってるところがあるんですね。

 

波多野:

そう、本当に曲やメロディがすごく良かったし、歌詞のあの感じって当時日本になかった。あれ本当に悔しかったです。

 

麻生:

理樹さんはどうですか?

 

木下:

ピープルは独自の世界観を守ってるし、守るっていうのはつまり戦うっていうことでもある。だから、戦い続けてるなって思う。そこはもう本当に似てますね。才能はもちろんすごいし誰にも真似できない。しかもなお進歩してるんだよね。あとさ、キャーキャーいわれたくないでしょ?

 

波多野:

そうですね。良くも悪くも。

 

木下:

俺もそうなんだよ!でも俺ね、最近キャーキャー言われたい。

 

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マジメでいすぎないことって大切なことだと思う。ART-SCHOOLは既存の植えられた道徳観とかどうでもいいと思ってますね。(木下)

 

波多野、麻生:

え?!

 

木下:

3日前くらいに気付いた。あ、俺言われたかったんだ?って。

 

波多野:

最近だな!笑。でもそっか。多分それね、それはでもそっちの方が健全なんですよ。

 

木下:

やっぱりもの作って本気で対峙してるアーティストだから、外部に発散するスキルがないと内側にいっちゃう。そうするとね、やっぱり精神にも身体にも良くないんだよね。

 

波多野:

今はキャーキャー言われたいって言う気分っていうことですか?

 

木下:

はい、3日くらい前から。悩んでもしょうがない。

 

麻生:

3日前っていうのは理樹さんにとって大切な気付きのタイミングだったんですね。

 

木下:

気分的に本当、今まで最悪だった。もう入院するしかないかって。空気のいい檻みたいなところに行くのかな〜って。

 

麻生:

え、そういうの書いて大丈夫なんですか?

 

木下:

大丈夫。みんなそういうキャラだと思ってるから。俺たちどっちもマジメだと思うんだけど、マジメでいすぎないことって大切なことだと思う。今の日本の社会もさ、マジメであること、誠実であること、ちゃんとしてるってことが大切にされるけれど、それの何が美徳なの?って思う。その人って人生を楽しんでるんだろうか?って。ART-SCHOOLは既存の植えられた道徳観とかどうでもいいと思ってますね。

 

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波多野:

僕も音楽を始めたとき、これが美しいですよって人に規定されたものを美しいって思っちゃう人たちが多いっていうことに対する恐怖がすごくありましたね。でもそういうのに関係なく美しいものは美しいじゃないですか。ART-SCHOOLはそれをすごくやってるなって思う。歌詞も含めてね。

 

麻生:

歌詞も本当にそうですよね。そこに繋がると思うんだけど、二人はこうして話してても言葉をすごく大切にしてるなって感じます。本当に一つ一つの言葉を大切にしてて生半可なことを言わない。一つ一つ深く汲み取って自分の言葉で答えてるって思うんです。

 

波多野:

確かに言葉は大切にしてます。また歌詞っていう意味で言うと、理樹さんの歌詞はもっと原始的だと思う。絵を描くみたいに。感覚的?直感的というか。

 

木下:

ロジカルではないってこと?

 

波多野:

そうそう、ロジカルではないってこと。僕はもっとロジカルなんです。歌詞を作るときも。

 

木下:

なるほど、数学で作ってるの?

 

波多野:

いや、数学というよりも、この音のときにこの言葉が来てほしくないというか。組んでいく感じ。しかもその作品単位でちゃんと整合性が取れていないと嫌ですね。

 

麻生:

それは本当によく分かります。People In The Boxのメロディ、そして歌詞って、これ以上もうどうにもいじりようがないってくらい煮詰めてる気がします。

 

波多野:

そう、めちゃくちゃ煮詰めます。

 

麻生:

それに対して、ART-SCHOOLは曲に対して全体の整合性と言うよりももっと感覚的に歌詞を大切にしている気がします。

 

木下:

どうなんだろう?歌詞は嘘っぽくならないようにっていうのは気をつけてますね。曲はなるべく手癖を使わないということかな。あとは、とにかく悩まないっていうことだね。悩まない。

 

 

もう本当にやりたくないことを一個もしたくないんですよ。(波多野)

 

麻生:

悩まないってさっきも言ってましたが、具体的にどういうことですか?

 

木下:

ようはちょっと肩の力を抜くっていうことなんだと思うんだよね。俺もマジメだから。そういうのって曲づくりにも影響してくるし、人に会わなきゃ行けない仕事でも、あぁ、外出たくないなぁとかなっちゃうの。だからね、肩の力を抜いてね、なるべく楽しく生きる。栄養を取るとか、単純なことだけどエアロバイクで走ってみるとか。

 

波多野:

そういうのって大事ですよね。ART-SCHOOLってすごく頼もしくて、それは何でかって言うと、理樹さんが堂々としてるからだと思うんです。今理樹さんが言ってたことってそこに繋がってるんだろうなって思う。もう人から批判されることくらい何にも思わなくないですか?小さいディスとか。

 

木下:

うん、気にならないね。

 

波多野:

それは僕もそうなんですよ。自分がやりたいことを一生懸命やること、それ以外に何の価値があるんだろうって思う。そのために努力するし、でもその努力すらも自分がやりたくなければ意味がない。もう本当にやりたくないことを一個もしたくないんですよ。だから、今回のようにイベント一つをとってもすごく選ぶし、メンバーの間でも分からないことはそれってどういう意味ってすごく話します。理樹さんは、やっぱり音楽とニアイコールで理樹さんという感じがしますよ。

 

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木下:

え、People In The Boxもそういう感じじゃないの?

 

波多野:

いや、僕はなるだけ自分が消えればいいなって思いながらやってて、曲作るときとかは逆に二人から出てくるものは全部いただく!って気持ちでやってますね。それはさっきの手癖を使わないって話に多分近いと思う。自分にないものがほしいと思って他のメンバーと一緒にやってて、でもそれでも出ちゃう自分っていうのが僕は多分好きなんだと思います。結果的に出る分には全然いいんですけどね。

 

一方、理樹さんはそのまま出ちゃう!料理で言うと、丸焼きっていう笑。でもちゃんとローズマリーとかこう色んなデコレーションはちゃんとしてあるんだけど、常に理樹さんの丸焼きがグンって出ちゃうって言う笑。

 

木下:

理樹さんの丸焼き・・・。

 

波多野:

イメージですよ!笑。僕はもっと何ができてるか分からなくなるくらい調理して調理してやる感じ。

 

木下:

ちゃんと余白を残してるよね、リスナーに。断言してないじゃない?そこは俺たち似てるなって思って、そんな断言してないんだよね。

 

波多野:

そうですね。そこも僕、ART-SCHOOLの好きなところですね。でもかといって、曖昧にするかっていうとしないんですよ。だから、絵とか映画とかに近い。何かを啓蒙するようなことは一切言わないけれど、でもこれですよっていうものを確固として持って、形を最終的に出す。そこは本当に共通項だと思います。

 

 

クロスオーバーするような組み合わせで突破して、色んな意味で新しい出会いを届けたい。(麻生)

 

麻生:

それは確かにそうですね。それほど断言していないんだけど、これだって形をしっかり出す。それって本当にオリジナリティだと思います。そういうものこそがリアルに伝わってくるし熱量を感じます。『SYNCHRONICITY』としてもその熱量、オリジナリティって本当に大切にしてますね。

 

波多野:

今、熱量って言いましたけど、それしかないなって思うんですよね。オリジナリティって僕はもう作るときに没頭したら意識しないですけど、でも没頭したら勝手に出るでしょって思ってるんです。その話って去年の『SYNCHRONICITY』のあのメンツ見てたら、丸わかりな気がします。だって、トリが渋さ知らズオーケストラですからね笑。

 

麻生:

あはは、ありがとうございます。でもジャンルとかにこだわっていないって言いながらも、なかなかバランスも難しいところもあるんですよ。なぜかというと、『SYNCHRONICITY』って今年で11年目なんですけど、最初はクラブカルチャーとライブカルチャーのクロスオーバー的なイベントとしてスタートしたんです。それこそ始めはオールナイトだったし、もろクラブでプレイしていてクロスオーバーできるようなテクノやハウスのDJに出演してもらったり、ライブも踊れる要素を持っているアーティストを意識してたんですね。そういうダンスミュージック的なクロスオーバーにすごくフォーカスしてた。それから徐々に大きくなっていってどんどん新しい要素を取り込んでいったんですけど、その部分って今でもやっぱり根っこの部分であるんですね。

 

だから、ART-SCHOOLもPeople In The Boxも『SYNCHRONICITY』としては、新しさを感じるというか新鮮さを感じるアーティストでもあるんです。そういう中で、今回のツーマンに繋がっていくことは本当に嬉しく思ってます。

 

波多野:

そういうのってやっぱりバランスだと思うんです。何でもいいんだっていう部分とジャンルっていう形式の面白さってすごくあるなって思ってて、そのバランスって一番いいところがある気がするんですよね。でも僕らが面白いなって思うイベントとかって全然お客さんが入ってくれないんですよね。ワンマンだと入るんだけど、この組み合わせって意外で面白いでしょってミュージシャンが思う組み合わせなのに入らない。だからなんか、そういうところを突破しようとしてるのかなって思いますね。

 

麻生:

それは本当にそうですね。自分にとって新しいアーティストってきっかけがないとなかなか聞かなかったりすると思うんですよ。ジャンルや出てるイベントが違ったら特に。例えば前回、BRAHMANが出演したんですけど、普段の『SYNCHRONICITY』のお客さんがライブに行って聞いてるかって言ったらそうじゃないと思うんですね。でもBRAHMANのパフォーマンスは本当に素晴らしいし、進化してるし、どんどんすごくなってる。若い新しいアーティストもかっこいい人たちがたくさんいて、そういうのを全てクロスオーバーするような組み合わせで突破して、色んな意味で新しい出会いを届けたいと思ってます。それはフェスでもツーマンでもそうです。

 

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木下:

あと、こんなふうにイベントもフェスもたくさんある中で、イベントやってる人の顔が見えるっていいよね。それってお客さんもやっぱり面白いと思う。本当センスがいいですよね。センスのないのってたくさんあるから。波多野くん、言ってみて。

 

波多野:

いやいやいやいや、活字にできないから笑。

 

でもそもそもイベントやフェスに出て、これ誰がやってるのって思いながら、何だったんだろうみたいなのを感じながら帰ることってありますからね。本当に。だから、理樹さんが言うようにやってる人の顔が見えるっていうのはすごく大事。最初の人と音楽の繋がりの話じゃないですけど、本当に、それはよくよく考えるとすごく当たり前だとも思うんですけどね。昔はそう思わなかったけれど、今はそういうことをすごく意識してます。そういう中での出会いだったですよね。

 

麻生:

そうですね。この出会いは本当感謝してます。でもそれはどういうきっかけで意識し始めたんですか?

 

 

まだまだ自分の本当にやりたいことをやるのは難しいなって思う。それをいかに追い込むとかそういうやり方ではない方法でかっこ良くしていきたい。(木下)

 

波多野:

やっぱり震災ですかね。自分がやってる音楽を始め、それでお金をもらうこと、そういうものを根本的に考え直す機会になりました。ただ、そういうことがちゃんと考えとしてまとまるまでにはちょっと時間がかかりましたね。今だに色々考えたりしますし、ずっと考えたりするんだろうって思います。だから、一つ一つのオファーもめちゃくちゃ考えます。音源の出し方に関してもそうですね。

 

麻生:

なるほど。理樹さんは独立されて、ワルシャワレーベルやってますよね?自分たちのバンドのスタンスはもちろん、レーベルについても考えることたくさんあると思います。

 

木下:

ワルシャワはもうすぐ1年半ですね。少人数でやっているし、まだまだ自分の本当にやりたいことをやるのは難しいなって思う。それをいかに追い込むとかそういうやり方ではない方法でかっこ良くしていきたいですね。僕はお笑いが好きなんで芸人さんのことをすごく尊敬しているんですよ。例えば、おぎやはぎの矢作さんとか、タモリさん、ああいう、こう何考えてるのかなぁ?っていうふんわりした感じがすごく好きでかっこいいって思う。自分もそういう部分を真似していったときに、始めて人が集まってくるんじゃないかなって思ってます。苦しんでるところに人は絶対集まってこないから。


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麻生:

ワルシャワの今後、楽しみにしてます。ART-SCHOOLの動きは?

 

木下:

秋フェスなるものに出て、曲を蓄え、その頃には多分発表になってるのかな?B-SIDE集を出しますね。来年に。で、その間にちゃんとレーベルのアイテムも確立しないとなって思ってます。

 

麻生:

People In The Boxのこれからのイメージは?

 

波多野:

楽しく、自然にやりたいです。

 

木下:

流しそうめんみたいになりたいんだよね?

 

波多野:

なりたい。で、そのままつゆにざんってね笑。

 

麻生:

あはは、今日はありがとうございます。こういう自然な流れの中でご一緒できて本当に嬉しいです。11/16のツーマン、よろしくお願いします!

 

一同:

よろしくお願いします!

 

 

イベント概要

 

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SYNCHRONICITY'16 – Autumn Party!! –
– People In The Box × ART-SCHOOL –
2016/11/16(水) open 18:00 / start 19:00
@duo MUSIC EXCHANGE
前売 3800円 / 当日 4300円 各ドリンク別
お問い合わせ:お電話:03-5459-8711(duo MUSIC EXCHANGE) / MAIL:info@kikyu.net
公式サイト:https://synchronicity.tv/festival/news/autumnparty2016/

  

一般販売(9月3日(土)〜):
【プレイガイド】
・チケットぴあ [Pコード:308-411] http://t.pia.jp/
・ローソンチケット [Lコード:73561] http://l-tike.com/
・イープラス
※前売り券完売の際は、当日券の発行はございません。

 

出演アーティスト
■LIVE
・ People In The Box
・ ART-SCHOOL

 

■DJ
・ eiichi kogrey (the band apart)

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INTERVIEW

『SYNCHRONICITY’18』出演オーディション突破アーティスト特集:「弱虫倶楽部」インタビュー

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皆さんは、弱虫倶楽部というバンド名からどんなイメージを連想すだろうか?ごく控えめに言っても、それは決してポジティブなものではなだろう。しかし、彼らの音楽を一度耳にするとそんなイメージはいとも簡単に覆され、そこに全く新しい価値を提示してくれる。脆く繊細な歌声の先にある揺るぎのない信念と、混沌としたサウンドに埋もれることなく響くポップなサウンド。弱虫倶楽部というバンド名の由来から見えてくるバンドの核心を、Vocal.安島の言葉で語ってもらった

 

 

インタビュー・テキスト:中村圭汰
編集:麻生潤

Supported by 基本 CMYK

 

 

 

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— まずは出演決定おめでとうございます。多数の応募の中を勝ち抜いての出演となりますが、今の気持ちを率直に教えてください。

 

安島:

素直にとても嬉しいです。このバンドを結成して初めて勝ち取った結果なので。

 

— 結成僅か1年での出演決定はバンドの持つポテンシャルの高さを感じます。

 

安島:

そうですね。やっぱり俺達はすごいなあ、という気持ちでいっぱいです(笑)。調子に乗りたい気分です。

 

— 多数の応募があった中で激戦を勝ち抜いての出演。調子に乗ってもいいと思います(笑)。加えて今回はGladのトリでの出演ですね。

 

安島:

僕個人としても人生において、こうした勝敗のあるものを最後まで勝ち抜くことが出来たのは初めての事なので本当に嬉しく思っています。演奏するたびに手応えや成長を感じてきましたが、一つ目に見える結果として出演が決まったことはバンドとして大きな自信に繋がりました。

 

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— 今回のオーディションはどこで知ったんでしょう?

 

安島:

何かオーディションに応募したいと思っていた時に、Eggsのサイトで記事を見つけ応募しました。

 

— 元々『SYNCHRONICITY』は知っていましたか?

 

安島:

はい。かっこいい音楽をやっているアーティストが揃ったラインナップがとても好きです。

 

— ありがとうございます。ちなみに、今回も非常に豪華なラインナップでの開催となりますが、個人的に観てみたいアーティストは誰ですか?

 

安島:

そうですね。WONK、Tempalay、King Gnu、Ovall、DALLJUB STEP CLUB、Yasei Collective、SOIL&”PIMP”SESSIONS、bonobos、水曜日のカンパネラなど…。挙げればきりがないんですが…。

 

— 参加者としても十分に楽しんでもらえそうで良かったです。

 

安島:

そうですね。SYNCHRONICITYに出演するアーティストは、ジャンルは様々ですが、音楽的にとても洗練されているなぁと感じます。しかも、それでいてどのアーティストもきちんと独自のポップさを持っている。大衆的でありながらも、コアなリスナーやニッチな層からの支持もある印象です。そのラインナップに選んでもらえたのが本当に嬉しい。

 

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— フェスのオーディションはスキル面も判断材料の一つだとは思うんですが、それ以上に、フェスとアーティストの相性はとても重要な選考基準だと思っていて。安島さんの感じる「洗練された中にある独自のポップネス」みたいなものが弱虫倶楽部にもあって、それが今回の出演にも繋がっているような気がします。

 

安島:

弱虫倶楽部は沢山の音楽に影響を受けているのですが、そんな自分達の好きなものを大切に、且つ強烈なオリジナリティを持ち、それをポップに昇華する事が出来たらと思っています。弱虫倶楽部とシンクロ二シティのベクトルは遠からず、似ているように思います。

 

— 今話してもらったところと通ずる部分でもあるとは思うんですが、弱虫倶楽部が持つ「強烈なオリジナリティ」とはどんなものでしょうか?

 

安島:

そうですね。まず、弱虫倶楽部はバンドとして、前衛性、普遍性、そして独創性を持った音楽を打ち出したいと考えています。ユニークなサウンド、綺麗なメロディ、心に残る歌詞、面白い活動、常に新しい挑戦。普通の事かもしれませんがそうした事を大切にしたい。

 

ロックであり、ポップであり、アートであり、エンターテイメントであり、流行であり、伝統であり、それらの観点を軸に持ったバンドでありたいです。いつもどきどきするようなものを提案し、挑戦し続けていきたいと思います。

 

 

— バンドの軸というか、コンセプトみたいなものを明確に表現していますね。このバンドとしての軸はメンバー内で話しあう中で出来上がっていったんですか?

 

安島:

ある程度のコンセプトの様なものはありました。自分という存在を目一杯に使って、最大限かっこいい音楽、バンドを作りたい。そして、メンバー全員が思い描く、いい音楽、面白いバンド、そうしたものを追求していきたいと。ただ、結成時には盤石な態勢や見通しがあったわけではないので、とにかくまずバンドとして動き始めてみよう、という気持ちが大きかったです。

 

— 漠然としたイメージが、精力的に活動を行う中で少しずつバンドとしての軸となり、カラーとなっていったんですね。弱虫倶楽部というバンド名にはどういう意味があるんでしょうか?

 

安島:

バンド名はスティーブン・キングのホラー小説「IT」に登場する弱虫倶楽部からきています。物語の中で、少年少女が成長し、力を合わせて不良や怪物達と闘っていくんですが、そんな強い友情みたいなものに憧れがあって。不器用さや弱さはあれど、それらを肯定し前向きな表現に挑み続けたいという意味を込めてこのバンド名にしました。弱くても強い、最強の弱虫倶楽部を作りたいと思っています。

 

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— その話を聞くとバンドの印象が大きく違いますね。弱さと強さって対極ですが、そこはまさしく表裏一体というか。弱さを超えた先に弱虫倶楽部としての理想系があるような気がします。それでは最後、当日のライブに向けて一言お願いします!

 

安島:

ぶっちぎります!

 

 

弱虫倶楽部 プロフィール:
弱くて強い、最強の弱虫倶楽部を結成すべく集まった。2017年2月より活動開始。オルタナティブ、パンク、ニューウェーブ、エレクトロニカ、ヒップホップなどの音楽をルーツとした五人組ロックバンド。アナログな電子音と緻密に練り込まれたバンドアンサンブル。ソングライター安島裕輔の詩と声が、終わらないロックンロール物語を紡ぐ。

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